石は・・
石は古代から世界各国で様々な用途で使われ続けています。お墓はもちろんのこと、建物、道路、日常生活用品に至るまで。
それは石が一番身近にあり、長く使い続けることができる材料だからです。
現在の墓石の原石は・・
お墓は御影石といわれる花崗岩や斑レイ岩などを主に主材料として使用しています。
その主成分は石英、長石、斜長石などの無色鉱物です。しかし、産地により白色、灰色、青色、黒色が様々な割合で混ざり、
色々な色調や模様をしています。
また、御影石はほかの石材に比べ水の給水率が非常に低く硬質です。墓石の他に建築材、内装材などにも使われます。
大理石とは違い、酸に強く、特に磨くと光沢が出ることがその特徴です。
石の色や模様は・・
原石(山から掘り出した石)の状態では使える石かどうかは分かりません。
採掘後、切って磨いてみて、初めてその石の色や模様、キズやムラなどが分かります。
現在、日本では黒色の御影石は産出されません。
白系の石の産出が大半を占めていますが、白系の石でも産地により様々な色や模様の石が生産されています。
このため、地域により好まれる石の色や模様は異なります。
自然の中、地下で何万年もかけて造られていくお墓の原石。
同じ種類の原石が採掘できる丁場においても、埋まっていた所が深いところと浅いところでは、石の色や模様が違うことが
多々あります。
最近は、石材店に石製品を卸す商社の影響もあり、全国的に同じような石材が使われています。また、商社による墓石製品の
デザインの平準化が進んでいます。
墓石の平準化・・
墓石を販売する小売店は、商社の提案するデザインをそのまま使用しているお店が数多くあります。
また、その商社のデザインをオリジナルデザインと称しているお店も数多く見受けられます。
石材卸の商社間の競争も激しいため、商社からの魅力的なデザインの提供サービス合戦も激しくなっており、
それにより全国的に墓石デザインの平準化、使用する石材の平準化が進んでいるように伺えます。
決して悪いとは言えませんが、オリジナルデザインと謳いながらあちらこちらに個性的な同じデザインの墓石が点在しています。
東北地方では・・
特に黒い色の墓石が好まれ(?)数多く使わてきました。
昭和40年代の早くから東北地方では、スウェーデン、インド、ウルグアイ、南アフリカなどで産出される墓石の原石を
早くから輸入してきました。
同じ花崗岩でも特に黒の御影石は、吸水率が低く、硬質で、艶や光沢があります。とても高価な石材ですが、雪や氷や雨などによる
風化の影響を受けにくことや、良い石を使いたいという気持ちから使い続けられているものと思われます。
昭和60年頃までは、東北地方の冬は、たくさん雪が降っていたと記憶しています。
冬場に外仕事ができない石材店は、その間に原石を加工し、雪解け後、その加工した石を建てていました。
また、山頂の墓地へは、馬か牛に石を引かせて、あらかじめ石を運んでいた、などという話も聞いています。
そこでは石材店同士が協力し合って、お互いの仕事を手伝っていたそうです。
地方により好まれる石の色は様々です。黒は気持ち悪い、黒は縁起が悪いなどと思われる地方の方もいらっしゃるかと思います。
しかし、お墓の色や形は地方の長い風土で培われてきた文化です。地元で採れる石があればそれを使うのが一番いいのかもしれません。
次はお墓のデザインについて考えていきます → オーダーデザインとは